「ろう者の両親がコロナになったら…」沖縄の芸人がパラリンピックに警鐘を鳴らす理由とは?

沖縄よしもと所属の大屋あゆみさん(写真右)ヤンバルナゴンの玉じゅんさん(写真左) 沖縄よしもと所属の大屋あゆみさん(写真右)ヤンバルナゴンの玉じゅんさん(写真左)

沖縄県で5月1~2日に予定されている聖火リレーは、「まん延防止等重点措置」の発令を受け、沖縄本島の公道を走るコースがすべて中止となった。現時点で、名護市・糸満市2会場に集約し、無観客で実施することが決定している。また、宮古島市でも中止となった。一方、まん延防止等重点措置から外れる離島、石垣市・座間味村では、公道でのリレーが予定通り実施される。 今回お話を伺ったのは、よしもとエンタテインメント沖縄に所属し、お笑い芸人として活躍する大屋あゆみさんと、同よしもと所属「ヤンバルナゴン」の玉じゅんさん。現在コロナ禍の沖縄で起きていること、オリンピックや聖火リレーに対する想いについて、おふたりに語ってもらった。

活動自粛を余儀なくされたよしもと芸人のふたり

「ひと際賑わっていた那覇市の国際通りも、最近ではコロナ禍で観光客が途絶え、シャッターを下ろしっぱなしの店も増えました。友人の経営する会社が倒産してしまったという話も耳にしますし、経済的にも精神的にも、今までの沖縄に溢れていた“活気”がなくなっていると感じます」 そう語る大屋あゆみさんは、ピン芸人として活動するかたわら、手話を取り入れた公演を行う「劇団アラマンダ」の座長でもある。しかしアラマンダの公演も、コロナ禍によって先行きが不透明なままだ。 「コロナ以前の公演は、立ち見席が出るほどの人気ぶりでした。耳の聞こえない方にとって、お笑いを楽しめるコンテンツというのはとても貴重だったんです。ただ現在は、定期的な公演を行うことが難しい状況。せっかく楽しみにしてくださる方たちにお笑いを届けられないことが、いまは一番つらいです」

大屋さんが座長を務める劇団アラマンダは沖縄花月でも人気公演の一つ 大屋さんが座長を務める劇団アラマンダは沖縄花月でも人気公演の一つ

一方、「ヤンバルナゴン」のコンビ名でよしもと沖縄花月の舞台に立つ玉じゅんさんは、「コンビ芸ならではの苦悩があった」と明かす。 「舞台では一時期、相方との間にアクリル板を置いて漫才をしなきゃいけなかったんですよ。あれは本当に辛かったです。できるネタがどうしても限られてしまうんですよね」 漫才はまだいいほうで、コントとなればさらにシビアな状況だ。世界観がすべてといっても過言ではないコントにとって、アクリル板はそのすべてを崩してしまうほどの障壁になる。それでも観客に違和感を与えず、笑えるネタを作り続けなければならない。「ずっとこの状況が続くのだろうか』と不安になることもあったという。

5月23日(日)には感染症対策を行い単独ライブを行うヤンバルナゴン 5月23日(日)には感染症対策を行い単独ライブを行うヤンバルナゴン

パラリンピックがもたらす希望とコロナのリスク

アラマンダの大屋さんのご両親は耳が聞こえない。以前、PCR検査を受けたことのある大屋さんは、保健所や病院への連絡といった段取りの煩雑さに驚いた。「もし、ろう者の両親がこの検査を受けることになったら……」そんな不安が頭をよぎったという。 「両親がPCR検査を受けることになった場合、通訳として同行が可能かどうか確認したところ、『映像で手話通訳士が対応しますので』と断られてしまって。父は今年で70歳と高齢でネットにも疎く、ひとりで対応できるのか心配に感じています」 また大屋さんは、「オリンピックの開催ばかりがメディアで取り上げられている現状に疑問を感じる」とも語り、パラリンピック開催への想いについても明かした。 「パラリンピックは、障害を持つ人たちが、自分と似通った境遇の選手たちの活躍に元気をもらえる貴重な機会です。もちろん開催してほしいという気持ちはあります。ただ、もしかすると選手の方たちの健康に危険が及んでしまうのではないか、と心配でもあるんです」 コロナは障害者や高齢者など、免疫力の低い人たちにとっては特に危険なウイルスであることを、今一度認識してほしい。大屋さんはそう願ってやまない。

離島での聖火リレーに希望をつないで

沖縄本島公道での聖火リレー中止の発表を受けた今、「それでも希望を捨てたくない」と玉じゅんさんは言う。 「僕は聖火リレーのニュースを見て、日本中がチームになって聖火を繋いでいくという姿に、単純かもしれないけれどすごく感動したんです。僕自身も、未来への希望を捨てないことが大切だなと思えました。それに、僕らの大先輩であるゴリさんが沖縄代表として走ることがめちゃくちゃうれしくて、よしもとの一員として誇らしい気持ちです」 大屋さんも明るい声でこれに続く。 「石垣島や座間味村などの離島では聖火リレーが予定通り開催されると聞いて、よかったなと思っています。離島には年配の方も多く住んでいるので、そんな島の人たちに元気を届けてほしいです」

苦しいときだからこそ、何とか笑いを届けたい

今後の活動について、玉じゅんさんは「できることは何でも取り組んでいきたい」と前向きな姿勢を見せた。 「こういう状況だと、マイナス思考に陥ってしまうこともあると思うんです。でも僕は逆に、コロナ禍だからこそ気づけたこともあります。これまでの自分は、『与えられていた舞台にただ立っていただけだったな』と」 公演機会が減ってしまったからこそ、YouTubeやSNSなど、これまで触れてこなかったコンテンツを通して、何とかみんなに笑いを届けられるような活動を始めていきたいと話す。

大屋さんは沖縄県内でのダイバーシティ活動も熱心に取り組んでいる 大屋さんは沖縄県内でのダイバーシティ活動も熱心に取り組んでいる

大屋さんも「コロナに負けず、手話に関する活動を続けてきたい」と意欲を燃やす。 「ファンの方から『アラマンダの公演を観て元気になれたときの気持ちが忘れられないので、少しでも早い復活を期待しています』とありがたいメッセージをいただいて。劇団を良くするのも悪くするのも、自分の気持ち次第なんだなと気づかされました。私も玉じゅんと同じように、YouTubeでも何でも、とにかく行動を起こしたいと思います」  最後に、沖縄のおすすめのスポットを尋ねると、「よしもと沖縄花月です!」と即答する玉じゅんさん。「それ、言いすぎでしょ(笑)」とすかさずツッコミをいれる大屋さん。苦しい状況だからこそ、お笑いが人に与える影響はますます大きい。これからの沖縄に、ふたりが率先して笑顔を届けてくれることを期待したい。

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