
仁坂吉伸知事の下、2020年の早い段階でクラスターを発見し、新型コロナウイルス感染症の抑え込みに成功したことで注目を集めた和歌山県。感染拡大を抑え込む一方で、早い時期からスポーツとコロナ対策とを両立させようと果敢に挑戦し、成功させてきた。 コロナ禍とはいえ、次世代のアスリートを育てていくためにも、スポーツ教育は欠かすことができない。和歌山県教育委員長の宮崎泉さんに、コロナ禍で改めて見えてきたスポーツ教育の重要性や現状について聞いた。
Yahoo! JAPAN編集部
仁坂吉伸知事の下、2020年の早い段階でクラスターを発見し、新型コロナウイルス感染症の抑え込みに成功したことで注目を集めた和歌山県。感染拡大を抑え込む一方で、早い時期からスポーツとコロナ対策とを両立させようと果敢に挑戦し、成功させてきた。 コロナ禍とはいえ、次世代のアスリートを育てていくためにも、スポーツ教育は欠かすことができない。和歌山県教育委員長の宮崎泉さんに、コロナ禍で改めて見えてきたスポーツ教育の重要性や現状について聞いた。
「全国各地、コロナの影響を受けなかったところはありません。学校も例外ではなく、子どもたちには大変つらい思いをさせてきたと思います」 コロナ対策のため、さまざまな制限が生じた教育現場。体育の授業や運動会など、スポーツ面にも制限が生じたと宮崎さんは語る。夏の甲子園やインターハイといった高校生を対象としたスポーツ大会に、中学生アスリートたちが目標としてきた全国大会。子どもたちにとって「今年しかない」大会は、コロナ禍によりことごとく中止になった。 大会中止は、若手アスリートにとって成長機会の喪失だ。和歌山県が力を入れているスポーツのひとつであるセーリングも、2020年に高校総体が中止に。未来の日本代表を目指す選手たちにとって厳しい一年となった。
しかし、そうした中、和歌山県教育委員会と和歌山セーリングセンター、セーリング連盟が協力し、大会開催を実現。それが和歌山ナショナルトレーニングセンターで行われた「JOCジュニアオリンピックカップ 兼 JSAFジュニアユースセーリングチャンピオンシップ」だ。 「和歌山県立医科大にいる専門家から感染症対策について意見をいただき、コロナ対策を入念に講じて開催しました。スポーツの大会が全国的に中止になる中で、開催に挑もうとした取り組みは本当にありがたく、素晴らしいことだったと思っています。大会関係者には感謝しかないですね」
このセーリングカップが行われた和歌山ナショナルトレーニングセンターは、東京オリンピックへ出場予定のセーリング選手たちが練習に励んだ場所でもある。 「オリンピック内定選手たちに練習で使ってもらえたことは、非常にありがたいですね。『和歌山ナショナルトレーニングセンターで練習したからメダルを獲得できました』『好成績を残せました』といった選手が、たくさん出てきてくれたらいいなと思います」
ナショナルトレーニングセンターが和歌山にあることは、セーリングに限らず、あらゆるスポーツに携わる人たちの励みだ。練習環境があることを活かし、和歌山から日本代表を担えるような強い選手が育っていくことを宮崎さんは願っている。 「プロ選手やトップアスリートたちは、取り巻く状況が大きく変わったコロナ禍においても、試合で非常にいい成績を残しています。精神的にも影響があったと考えられる中で、モチベーションを維持し競技力を保ち続けられたことは、非常に素晴らしいことです」 コロナの流行は今もなお続いており、子どもたちのスポーツ体験もコロナ以前とは変化させざるを得ない状況だ。これまでのように試合や合宿ができないからこそ、いかに自分のモチベーションを保つかが非常に大切なことだと宮崎さんは見ている。 「スポーツに親しむ子どもたちも、まだまだつらいことがたくさんあることと思います。しかし、逆境をプラスに転じさせられれば、これからのスポーツ人生の可能性を大きく広げられるのではないでしょうか。一方で我々大人たちは、そんな子どもたちをバックアップできる環境を努力して作っていかなければと思っています」
1964年に開催された前回の東京オリンピックでも、宮崎さんは聖火リレーを見ていた。そして令和の東京オリンピックでも、聖火が地元・和歌山を駆け抜ける。 二度目の聖火リレーを前に、宮崎さんはワクワク感を抱きながら、感染対策への緊張感もにじませた。 「当初とは変化があり、派手さよりも安心安全面に重点が置かれています。コロナが収束しきっていない現状で、やはり一番大切なことは安全面。準備万端の状態で当日を迎えたいですね。聖火リレーは、オリンピックの機運醸成につながる存在です。対策を施した上で盛り上がりを作っていき、コロナ禍による閉塞感を吹き飛ばす機会にしたいと思っています」 セーリング選手が練習した和歌山ナショナルトレーニングセンターの存在や、世界のトップアスリートたちが自国で競技に挑む姿を見られることは、東京オリンピック以後のスポーツ界を担う子どもたちにとって、いい刺激を受けられるまたとないチャンスになる。 宮崎さん自身もセーリングの魅力に触れ、オリンピックから刺激を受けているひとりだ。2022年に関西で行われるワールドマスターズゲームにもエントリーしているという。「まだまだド素人で、1〜2回船に乗せていただいたくらいなんですよ。暖かくなってきたので、そろそろ本腰を入れて練習したいなと思います」と照れたように笑った。 和歌山からオリンピック選手が多数輩出される日も、そう遠くはないだろう。
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