東京オリンピック・パラリンピックについて1年程度延期、聖火リレー延期も発表されました。詳細な日程、選考基準などは公式情報が発表され次第更新します。

東京2020聖火リレー公式アンバサダー 石原さとみさん

福島に行ってわかった、聖火リレー「1日の流れ」

福島県3日目のセレブレーション会場 開成山公園にて 福島県3日目のセレブレーション会場 開成山公園にて

(※本件の取材は、新型コロナウイルス感染の懸念が広がる以前、2020年2月7日に行われました。) いよいよ3月26日にグランドスタートを迎える東京2020オリンピック聖火リレー。当日はいったいどんな1日になるのでしょう。なかなか具体的にイメージがわかないという方も多いのではないでしょうか。 今回は、そんな疑問を解決するため、東京2020聖火リレー公式アンバサダーの石原さとみさんが聖火リレースタートの地である福島県を訪れました。

福島県庁で内堀知事にお話を伺いました

内堀知事と石原さん 内堀知事と石原さん

まずは福島県庁を訪れた石原さん。内堀知事が「東京オリンピックに、非常に特別な思い入れを持っています」と、笑顔で迎えてくださいました。なんと、知事の誕生日は1964年3月26日。つまり前回の東京オリンピックの年で、さらに今回の聖火リレーのスタートの日です。 石原さん「ご自分のお誕生日に聖火リレーがスタートするなんて、とても運命的ですね」 内堀知事「偶然ですが、とても驚きました。東京オリンピックにご縁を感じて、大変強い思いを持ちました。そしてオリンピックのシンボルである聖火リレーが福島県からスタートすることは、東日本大震災、原発事故からの復興に向けて頑張っている県民の皆さんを勇気づけてくれると考えています」

聖火リレーを盛り上げる工夫とは?

また知事は、「聖火リレーは、県民の皆さんが直接オリンピックに参加できる貴重な機会だ」と言います。「聖火リレーは聖火ランナーだけのものではなく、みんなのもの。みんなで盛り上げることで聖火リレーが作られていく。そう考えて、復興五輪のスタートとしてふさわしい聖火リレーになるよう、準備を進めている」と言います。 石原さん「いま、準備はどんな状況ですか?」 内堀知事「コースについて、丁寧に議論をしているところです。福島県には59の市町村がありますが、実際に走れるのは26(市町村)なんです。本当は全て回りたいのですが、3日間だと限界があります。みんなで悩みながら絞り込みました」 石原さん「誰も取りこぼさない聖火リレーであって欲しいと心から思うのですが、26の市町村以外の皆さんを巻き込んでいく工夫みたいなものはありますか?」 内堀知事「59市町村全てから、それぞれにゆかりのある方をランナーに選んでいます。『自分たちの村の、自分たちの町のランナーがいる。あの子が走る、あの人が頑張るんだよね』というふうに、それぞれの地元を代表して走られます」

復興五輪の本質、聖火リレーの本質

知事は、復興五輪の本質は「ありがとう」と「頑張ろう」、この2つの言葉だと言います。それを伝えられる大切なチャンスが、聖火リレー。 内堀知事「福島県は東日本大震災、原発事故がありました。さらには昨年の台風でも非常に大きな被害がありましたが、そのたびに世界中の方から『福島頑張って! 応援しているよ!』という温かい声援をいただいてきたんです。聖火リレーが県内を回るとき、国内、国外に向けて『ありがとう』という感謝の思いを発信しようと呼びかけています。これまでの9年間の感謝の思いを口にしてみよう。県民の皆さんにとってすてきなチャンスになると思います。それから、東日本大震災の後も、例えば西日本豪雨や熊本地震、北海道胆振東部地震、昨年の台風災害など、様々な自然災害がありました。大変な思いをされている方々が日本中におられますので、共に『頑張ろう』という思いを発信していきたいと思います。そこをぜひ県として訴えていきたいと思っています」 石原さん「『復興五輪』と言われることをどう受け止めていますか?」 内堀知事「福島県の復興は完了しておらず、今なお現在進行形です。復興五輪が終わった、良かったということではなく、これからも復興を進めていかなければならないので、聖火リレーや東京オリンピック・パラリンピックを通じて、力をもらい、それをエネルギーに変え、未来に向かってさらに努力していきたいと考えています」 石原さん「聖火リレーの本質は何でしょうか?」 内堀知事「やはり『つなぐこと』だと思います。47の都道府県が一つにつながるって、なかなか無いチャンスですよね。だから、聖火リレーの本質は日本という国を面的につなぐ、広がりをつなげるということだと思っています。そしてもう一つ、次の世代につなぐということもあると思っています。各市町村のゆかりのランナーを選ぶときに、10代の若い方から60代、70代の方まで入っていただきました」

福島県の聖火リレーの見どころ

走行距離約50kmのルートを3日間で巡る福島県の聖火リレー。内堀知事にその見どころを教えていただくことで、聖火リレー当日のイメージがより具体的に。 内堀知事「まず初日の3月26日は、原発事故による避難指示が解除された地域を中心に、浜通りを通過するルートになります。大熊町は去年の3月まで全町避難でしたが、ようやく一部、避難指示が解除されました。その大熊町や浪江町世界最大級の水素製造拠点を通ります」 石原さん「水素ですか?」 内堀知事「水素は未来のエネルギーです。どうしても環境に何らかの形で負担をかけるエネルギーが多いのですが、水素エネルギーは分解すると水と酸素だけになるので、環境を汚しません。その水素を製造する最大級の拠点を今、浪江町に整備しています。そして、千年の歴史を持つ相馬野馬追、そのメイン会場となる南相馬市の雲雀ヶ原祭場地で1日目のセレブレーションを行います。そこでは騎馬武者による演出を検討中です」 石原さん「どんな方々が走りますか?」 内堀知事「まず、なでしこジャパンの皆さんに、Jヴィレッジからスタートする国内第一走者として走っていただきます。また、福島県の農林水産物のCMなどで、風評払しょくに頑張っていただいているTOKIOの皆さん、映画フラガールに出演をされた南海キャンディーズのしずちゃんに走っていただくことになっています。2日目は、相馬市をスタートして、会津地方まで。猪苗代町ではスキーによる聖火リレーを行います。ただ、今年は暖冬で雪が少ないことがちょっと気がかりです」 石原さん「どうされるのでしょうか?」 内堀知事「何とかします」 石原さん「何とか……お願いします!(笑)」 内堀知事「雪の中での聖火リレーはすごくインパクトあるので、『何とかする』という思いで準備をしたいと思います」 石原さん「ぜひ、頑張ってください」 内堀知事「しっかりやりたいと思います(笑)。それから、喜多方ラーメンで有名な喜多方市、只見川とJR只見線の第一只見川橋梁が織りなす絶景スポットとして有名な三島町を通過して、会津の歴史を今に伝えてくれている会津若松市の鶴ヶ城で2日目のセレブレーションを行います。2日目のランナーは、3月下旬からスタートするNHKの連続テレビ小説『エール』で、福島市出身の作曲家古関裕而さんをモデルにした主人公を演じる窪田正孝さん、そしてスキーのフリースタイルで3大会連続でオリンピックに出場した猪苗代町出身の遠藤尚さん、バレーボールのオリンピアンで、会津若松市に二地域居住されている大林素子さん。大林さんは1年間に50回くらい福島に来ているんですよ。そして最終日の28日ですが、日本三大祇園祭の一つ、会津田島祇園祭で有名な南会津町をスタートして、海外の観光客からも人気が高い、茅葺き屋根の街並みが美しい下郷町の大内宿、須賀川市などを通過して、郡山市の開成山公園で福島県の最後を飾るセレブレーションを行います。ランナーは、エアレースの世界チャンピオンになった室屋義秀さん、県のクリエイティブディレクターの箭内道彦さん、陸上競技400メートルの日本記録保持者で北京オリンピックに出場した千葉麻美さん、前回の東京オリンピックに須賀川市出身の円谷幸吉さんと一緒にマラソン競技に出場した君原健二さん、こういった方々に走っていただくことになっています」

聖火リレーの1日を締めくくる「セレブレーション」と各市町村で行われる「ミニセレブレーション」

石原さん「最後のセレブレーションはどういうことを企画されているのでしょうか?」 内堀知事「まだ言えませんが、3日目の最後を飾るセレブレーションなので、福島から全国につなげようという思いを込め、すてきなセレブレーションにしたいと考えています」 石原さん「セレブレーションは何時からですか?」 内堀知事「日によって違いますが、基本的には午後6時から7時くらいの時間帯になると思います」 石原さん「ランナーの皆さんは何時にスタートするのでしょうか?」 内堀知事「初日はJヴィレッジでの式典が終わってからになるので、午前10時ぐらいになると思います。2日目、3日目は午前9時くらいから走ることになると思いますので、かなり長い時間、10時間くらいは走っていることになります」 石原さん「そうなると3日間のセレブレーションは全て、夜の時間帯になりますね。ライトアップするということですか?」 内堀知事「そうですね。また、ゴール以外の各地域でもそれぞれミニセレブレーションを行います。ミニイベントが1日に数回あるということですね。『ここがセレブレーション会場だ』という思いで取り組みますので、それぞれ華やぎが出てくると思います」

内堀知事から聖火ランナーの皆さんにメッセージ

石原さん「ランナーの皆さんに何かメッセージをお願いできますか?」 内堀知事「笑顔で楽しんでほしいですね。200メートルくらいなので、あっという間の時間です。ただ、この200メートルを最高に楽しんでほしい。余計なプレッシャーを感じないで楽しんでほしいですね。石原さんは別格ですが、普通の人はすごく緊張してしまって、ピキピキになると思うんです」 石原さん「私だってピキピキになりますよ、絶対。でも、その緊張も私は好きなんです」 内堀知事「さすが俳優さんですね」 石原さん「ところで、特に注目すべきルートはありますか?」 内堀知事「そうですね、強いていえば、1日目の浜通り。海側の地域です。地震、津波、原発事故のうち、津波の被害は沿岸部しかないので、全ての災害を全部背負っているんです。そういう意味で、1日目の浜通りが福島県の聖火リレーの中でもより強いメッセージを持っていると思っています」

セレブレーション会場となる「開成山公園」を見学

公園を案内してくださった鈴木さん 公園を案内してくださった鈴木さん

知事との対談を終えた石原さん。次に向かったのは郡山市の開成山公園。聖火リレーの3日目、ここが福島のゴールです。郡山市文化スポーツ部スポーツ振興課の鈴木さんが案内してくださいました。 園内の聖火ランナーが走るコースを辿っていくと、やがて大きな池が現れました。池の付近にはたくさんの桜の木が。春には花見客で賑わうといいます。 石原さん「桜の木があるんですね。セレブレーション当日に咲いているといいですね」 鈴木さん「暖冬であれば……咲くかもしれないですね。では、橋を渡りましょう」

最終のトーチキスポイント 最終のトーチキスポイント

橋の手前に、最終ランナーがトーチキス(聖火を次のランナーのトーチに移すこと)をする場所がありました。

開放感があって気持ちの良い公園でした 開放感があって気持ちの良い公園でした

鈴木さん「橋を渡ってしまうと、もうすぐセレブレーション会場です。正面にセレブレーションのステージがありまして、そこの聖火皿に聖火を移します。」 石原さん「これは気持ちいいでしょうね。ステージがここに建つということですか?」 鈴木さん「そうです。大きなトレーラーの仮設のステージがありまして」

セレブレーションのステージができる場所 セレブレーションのステージができる場所

内堀知事との会話や実際のセレブレーション会場を見学することで「すごくイメージできました。絵が見えました」と石原さん。実際に来てみて、触れて、わかったことがたくさんあったようです。 (※本件の取材は、新型コロナウイルス感染の懸念が広がる以前、2020年2月7日に行われました。)

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