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新ユニフォームのブラインドサッカー女子日本代表 菊島宙の8得点でアルゼンチンに圧勝

2020/3/6 11:15

ブラインドサッカー女子日本代表がアルゼンチン選抜を迎え撃った「さいたま市ノーマライゼーションカップ2020」が、2月22日、さいたま市内のサイデン化学アリーナで開催された。

ダイアモンド☆ユカイの国歌独唱と新たなユニフォームを身に纏った選手達

今年で8回目となる「さいたま市ノーマライゼーションカップ」は、過去にはブラインドサッカーやボッチャの体験、盲導犬の体験等、ノーマライゼーションを体現するイベントが共催されてきたが、今回はコロナウィルスの影響で縮小した形となり、入り口には消毒液が置かれ、メディアもマスクの着用が義務づけられたなかでの開催となった。

この試合はリニューアルされた障がい者サッカー連盟(JIFF)統一ユニフォームのお披露目でもあった。2016年4月JIFFが発足、翌年6月には7つの障がい者サッカーの日本代表チームが同じユニフォームを着用することとなり、電動車椅子サッカー日本代表がワールドカップで着用、その後、各競技団体の選手達が身に纏い世界と戦ってきた。新たなユニフォームは前面に襷(たすき)をイメージしたデザインで「障がい者サッカー7競技団体が次のステージの発展につなげていく」という意味が込められている。

新ユニフォーム姿の女子日本代表先発は、トップに菊島宙、右のアラに竹内真子、左に橋口史織、フィクソに工藤綾乃、ゴールキーパーに和地梨衣菜。

試合後にアルゼンチン選抜の監督が「別次元の選手、メッシのようだ」と形容した菊島宙が、キックオフからいきなりドリブルで持ち上がりゴール前に迫り最初のシュートを放つ。

菊島宙のシュートがゴールネットを揺らす(4点目)

菊島はこれまで海外チームとの対戦では6試合21ゴール、東日本リーグ2019年では男子に混じりながら5試合で25得点と得点王に輝いている。筆者も2017年4月、立ち上がったばかりの女子日本代表合宿で初めて見た時の衝撃は忘れられない。抜群のトラップ、力強い高速ドリブルからの強烈なシュート。その後、ボール奪取能力も格段に上がってきている。

しかし「菊島だけではなく、いろんな選手がボールに絡んでゴール前に侵入していこう」という村上重雄監督の指示もあり、菊島は周囲の選手にもパスを回す。だが竹内や工藤が前線まではボールを運べても、なかなかシュートまでは持ち込めない。
そして前半10分、菊島が相手からボールを奪い豪快にインステップキックで右足を振り抜く。強烈なミドルシュートがゴールネットを突き刺し日本が先制。2分後にも右サイドからドリブルで持ち込み、ゴール正面から右足トーキックで蹴り込み追加点。
その後、アルゼンチンのショアナ・アギラールの右サイドからのループ気味のシュートがクロスバーに当たる場面があったものの、日本は得点を許さず2-0で折り返す。

シュートを放つ菊島宙(2点目)

後半立ち上がり早々には菊島が中盤左サイドでボールを奪い中央に切れ込んでシュート。菊島のハットトリックで3-0と差を広げる。
しかし5分過ぎ、菊島は相手に倒されいったんピッチを退くことになる。
菊島がいない時間帯のゲーム運びは一つの課題だったが、鈴木里佳や工藤、橋口の粘り強い守備もあって得点を許さない。工藤は屈強な身体能力もあって、壁となって立ちはだかる。
そして14分過ぎ、再びピッチに戻ってきた菊島が怒涛のゴールラッシュを見せる。
自陣深いエリアでボールを奪い高速ドリブルで持ち上りゴール。その直後のキックオフから中盤でボールを奪い5点目。その30秒後には右足アウトサイドにかけた技ありのシュートを決め6点目。キーパーは全く反応出来ず、1分程の間の3ゴールだった。

右足アウトサイドでゴールへ蹴り込む菊島宙(6点目)

菊島はその後もゴールを積み重ねる。キーパーからのパスを壁際で受け、左サイドから中央に切れ込んで右足でシュートという得意の得点パターンで7点目。
とどめは右サイド壁際付近からの強烈なグラウンダーのシュート。ファーポストに当り、ゴールに吸い込まれた。
終わってみれば菊島のゴールラッシュで日本が8-0と勝利。ブラインドサッカー女子日本代表は2017年チームの立ち上げから7戦全勝となった。

試合後、喜びを表現する選手達

今年11月には女子のブラインドサッカーとしては初の世界選手権がナイジェリアで開催されることになっており、代表チームは初代女王を目指していくことになる。
日本と対戦する各国は「菊島宙をいかに止めるか?」対応策を必死に練ってくるだろう。
村上監督は「菊島がいない時にゴールまで迫っていけるか。菊島だけではなく全選手がボールに絡んで最後フィニッシュする」という点を課題に挙げる。

世界の女子ブラインドサッカーは、まだまだ産声を上げたばかりである。男子は1998年に初の世界選手権が開催され、2004年パラリンピックアテネ大会から正式競技となった。
「パラリンピック出場が夢」と語る菊島宙の思いが叶うまでには、どれくらいの時間を要するだろうか。

(文・写真 中村和彦)

〈この記事は、パラフォトにて2020/02/23に掲載されたものです。〉

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