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世界一になったからこそわかる、金メダルの価値 - 岩渕真奈(サッカー)

2020/7/22 19:09

小学2年生の時に兄の影響でサッカーを始めた岩渕真奈は、中学進学時に国内屈指の名門、日テレ・ベレーザの育成組織に入団。わずか14歳でトップチームのメンバーに登録され、16歳で日本代表に選出された。
2011年にはワールドカップで世界の頂点に立ち、翌年のロンドンオリンピックと2015年のワールドカップでは銀メダルを獲得。世界女王になったからこそ分かる金メダルの価値や重みを胸に、岩渕真奈は1年後に迫った東京2020へ向けて歩みを進める。

なでしこジャパン 合宿(2019年5月) 写真:西村尚己 アフロスポーツ

東京2020に向けて、すべてのプランを組んできた

―― 3月24日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京2020の開催延期が決まりました。岩渕選手はこの決定をどのような心境で受け止めましたか?

やっぱり残念な気持ちが一番でした。今年の夏に東京2020が開催されるという前提ですべてのプランを組んできましたし、コンディション的にもすごくいい形で調整できていたので、残念の一言に尽きますね。
もう7年近く前になりますが、東京2020の開催が決定した時から、「27歳で東京でのオリンピックを迎えられるなんてすごくいいタイミングだ」と思って、オリンピックを念頭に入れて所属するチームも選択してきました。東京2020までは日本国内のチームで頑張って、その後はまた海外のリーグにチャレンジしたいと思っていたので、大会延期とともに、その先のビジョンが不透明になってしまったこともすごく残念でしたね。

―― 延期の決定から約4カ月。自粛期間を挟んで、サッカーのある日常が戻ってきました。1年後の東京2020に向けて、気持ちの面は切り替えられましたか?

今はとにかく前向きにサッカーに取り組みたいと思っています。もっともっとうまくなりたいし、強くなっていきたい。そのためにも結果を出すことを求めながら、この先の1年間を有意義に過ごしていきたいですね。開催が1年延びたことにより、日本女子代表(なでしこジャパン)に選ばれるメンバーも変わってくると思うので、東京2020をしっかりと意識しながら、自分に厳しく取り組んでいくつもりです。

2020 シービリーブスカップ 写真:USA TODAY Sports ロイター アフロ

―― 自分自身の価値を証明するためにも、やはり結果を出すことが重要ですね。

そうですね。価値を上げるのも下げるのもやっぱり結果なので、自分が求める成績を出すことに集中していこうと思っています。私のサッカー人生はこの先そこまで長くないと思いますし、さまざまなことにチャレンジするには年齢的にギリギリかなと思う時もあるので、今できることにしっかりと向き合っていきたいと思います。

キャリアを重ねるごとに手にしてきた自信

―― 今後のサッカー人生が話題に挙がりましたが、岩渕選手自身はこの先のキャリアをどのように思い描いていますか?

プレースタイルはけっこうビュンビュン仕掛けていくタイプなので、正直なところ、そこまで長く第一線で戦い続けられるとは思っていないんですよね。ただ、オーストラリアとニュージーランドの共催で女子ワールドカップが2023年に開催されるんですが、ちょうどその年に30歳になるんです。私にとってはそこが節目になるような気がしますし、3年後のワールドカップまではしっかりと高いレベルを目指してやっていきたいなと思っています。

2019 FIFA 女子 ワールドカップ 写真:なかしまだいすけ アフロ

―― 岩渕選手のプレーを見ていると、選手としてのピークがまだ来ていないというか、現在も着実に成長しているように感じられます。

自分自身のピークを見極めるのはちょっと難しいところがあるんですが、確かにここ数年は一選手として成長できているなと感じる部分がたくさんありますね。若くて勢いのある選手たちからの押し上げに負けないように、私自身も日々ステップアップしていきたいと思っています。

―― 特に、なでしこジャパンにおける堂々としたプレーやピッチ上での存在感は際立っています。

キャリアを重ねるごとに、自信を手にすることができている実感がありますね。もともと強い気持ちで試合に臨もうと意気込むタイプなんですが、ゴールに絡むプレーが増え、徐々に結果が出せるようになってきたことで、今まで自分が歩んできた過程に自信を持つことができていますし、それをピッチの中で表現できるようになってきたなと感じます。
また、自信が得られたことに加え、自己管理の徹底によってこれまでよりもケガが減ってきたことも大きいですね。心身ともにいい状態が維持できている中、チームにおける自分の立ち位置やこれまで積み重ねた経験値というものが、いい意味で責任感を与えてくれているなと思います。

2019 FIFA 女子 ワールドカップ 写真:ロイター アフロ

プレッシャーを力に変え、「一番いい色」のメダルを目指す

―― 東京2020まであと1年。自国開催ということで、チームとして結果を出すことができれば、2011年の女子ワールドカップ優勝に匹敵する、もしくはそれ以上のインパクトを日本中に与えられるのではないかと思います。

2011年のワールドカップで優勝、しかし2012年のロンドンオリンピックでは決勝でアメリカに敗れて準優勝でした。自分の中で、ワールドカップで優勝してドイツから帰国した時の記憶は鮮明にあるんですけど、銀メダルを手にロンドンから日本へ帰ってきた時の記憶というのがあまりないんですよね。
ワールドカップやオリンピックなど、国際大会での活躍を通してアスリートがさまざまな可能性を生み出すことができるのは間違いないと思うんですが、人々に大きな影響やインパクトを与えるにはやはり優勝すること、金メダルを手にすることが必要なんだと感じています。

2011 FIFA 女子ワールドカップ 準々決勝 写真:アフロ
2011 FIFA 女子ワールドカップ なでしこジャパン優勝後、川澄奈穂美(左)と 写真:アフロ

―― 国際大会での優勝と準優勝の差。世界一になった経験があるからこそ体感できる違いです。

東京2020の開幕が実際に近づいてきたら、自国開催というプレッシャーを強く感じることもあると思います。でも、自分の国でオリンピックが開催され、その大会に出場できるチャンスがあるなんて、後にも先にもこの一度きりですからね。プレッシャーを力に変えつつ、サッカーの楽しさを感じながらプレーして、最終的に一番いい色のメダルを獲得できることを目指していきたいなと思っています。

―― 岩渕選手の今後のキャリアのためにも、そして日本女子サッカーの未来のためも、東京2020までの1年間の過ごし方が大切になってきそうですね。

そうですね。まずはケガをすることなく、健康でいいコンディションを維持したいと思っています。個人としては、所属するINAC神戸レオネッサでは昨年以上のプレーを見せられなければ選手としての成長は見えてこないと思うので、今シーズンは特に自分自身の結果という部分を厳しく求めていきます。
また昨年、なでしこジャパンでは8試合の出場で7ゴールをマークして「こんなに点が取れるんだ!?」と思うくらい、うまくいっていた時期もありました。今年はそれが奇跡でなかったことを証明できるように、レベルの高いプレーを継続していかなければいけないと思っています。

2019 なでしこリーグ 写真:西村尚己 アフロスポーツ

そもそも、ゴールを数多く挙げることができたきっかけの一つに、「このチームにはエースがいない」という高倉(麻子)監督の言葉がありました。メディアを通して知ったんですが、そういう言葉が自分の心に火をつけてくれましたし、今年もたくさん点を取って、誰が見ても「なでしこジャパンのエースは岩渕だ」って言ってもらえるよう、継続して頑張っていきたいと思っています。

(インタビュー=岩本義弘)

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