連勝の日本に立ちはだかったイタリアの壁
男子バレーは予選突破へ正念場を迎える

最高のスタートを切っていた日本だったが……

身長2メートル超えの選手をそろえたイタリアの壁の前に、日本は苦しい戦いを強いられた 身長2メートル超えの選手をそろえたイタリアの壁の前に、日本は苦しい戦いを強いられた【Getty Images】

 自信を持って、強敵に挑んだはずだった。しかし、相手が構える高い壁は、その想像を超えるものだった。  開催国枠として2008年の北京以来、13年ぶりとなる五輪での戦いに挑むバレーボール男子日本代表は、ここまで想像以上の快進撃を見せてきた。予選ラウンド初戦はベネズエラをセットカウント3-0のストレートで下し、実に29年ぶりとなる五輪での白星をゲット。続く世界ランク11位のカナダ戦は、主将の石川祐希(ミラノ)が22得点、西田有志(ジェイテクト)がチームトップとなる23得点と、両エースが期待に違わぬ存在感を見せつけ、3-1で連勝を飾った。両試合の失セットも1以下に抑え、2試合で勝ち点6を稼ぐ最高のスタートダッシュ。27日の時点では、2018年の世界選手権王者・ポーランドなどの強豪を差し置いて堂々のプールA首位と勢いに乗った状態で、2016年リオ五輪で銀メダルのイタリア戦に臨んだ。  だが、ここまで勝ち点2と苦戦を強いられてきたイタリアも、過去2戦とは見違えるようにギアを入れ替えてきた。スターティングメンバー6人の中に身長2メートル超えの選手5人をそろえ、コート上にそびえ立つ。まさしく壁のように強固なディフェンスに、日本の攻撃は何度も跳ね返された。第2セット序盤には石川や小野寺太志(JT広島)のスパイクがはじかれて3連続ブロックを食らい、7つのブロックポイントを奪われた。  中垣内祐一監督は第2セット途中から、正セッターの関田誠大(堺)に変えて藤井直伸(東レ)を投入。さらに高梨健太(名古屋)や大ベテランの清水邦広(パナソニック)ら、これまで出場機会の少なかった選手を次々とコートへ送り込み、攻撃のリズムを変えにかかった。後がない状態で迎えた第3セットは、その高梨のアタックが効果的に決まる場面もあり、終盤までリードを許しながらも粘りを見せて25-23で奪取。しかし、第4セットではオスマニー・ジュアントレナに5連続ポイントを許すなど、勢いづく相手のアタックにのみ込まれ、1-3で今大会初黒星を喫した。石川は「僕もそうだったんですが、相手のブロックにかかるケースが多かった。コースを抜きに行き過ぎたかなと思います。コースを狙い過ぎると(ボールの)通過点も低くなってしまうし、高い相手が前に出てくるので、止められてしまいました」と、反省の弁を口にした。

勝ち点3以内に5チームがひしめく大混戦に

3試合を終えて日本は勝ち点6でプールAの2位。予選ラウンド突破へあと一歩だ 3試合を終えて日本は勝ち点6でプールAの2位。予選ラウンド突破へあと一歩だ【写真:ロイター/アフロ】

 この試合からイタリアは、前回のポーランド戦を大腿四頭筋痛で欠場していた、司令塔のシモーネ・ジャンネリが復帰。さらに、リオでは銀メダル獲得の原動力となった、得点源のイバン・ザイツェフも復調の気配を見せ、3戦目にしてベストと言える陣容がそろっていた。それでも、今の自分たちならもっと戦えたのでは――。これ以上ない走り出しを見せてきただけに、その思いは否めない。中垣内監督も「(試合前は)ザイツェフの調子も良くなかったし、ジャンネリは出ないのではないかと思っていました。十分伍するチャンスはあったし、われわれもそういうレベルにあると見ていましたが……」と、悔しさの色を隠せなかった。  日本が入ったプールAは、大混戦の様相を呈している。4チームが決勝トーナメントに進出するグループリーグにおいて、優勝候補と目されていたポーランドが初戦でイランに敗れ、28日はカナダがそのイランに3-0で勝利。ベネズエラ以外の5チームが勝ち点3以内で並んでおり、どこが勝ち抜いてもおかしくない状況だ。敗れた場合でもセットカウントが2-3であれば勝ち点1が獲得できるため、ここから先は「負け方」が重要な意味を持つ場合もある。  日本は残り2試合、ポーランドに続いてイランと格上との対戦が続く。この敗戦を引きずるわけにいかないのは百も承知だ。試合終了後、選手たちはすぐに円陣を組み、主将の石川を中心に、待ち受ける厳しい戦いへ向けて気持ちを入れ直した。 「終わってしまったので、すぐに切り替えてポーランド戦に向かっていこう、と。あと、きょうに関して言えばミドルのサーブも含めてチャンスボールとか、取らなければいけないボールを落として攻撃に持っていけない展開が多過ぎたので、そこだけは修正する必要がある。この3試合を通してやっていることは決して悪くないので、雰囲気を変えずに臨んでいきます」  中垣内監督が「現実的な目標」と定めていた予選ラウンド突破は、その言葉通りにあと少しで手が届くところまで近づいている。第一の悲願を叶えるため、立ち止まるわけにはいかない。 (取材・文:守田力/スポーツナビ)

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