五輪延期が生んだ競泳の新星・佐藤翔馬
伸びしろ十分、平泳ぎの頂点狙える

日本の得意種目に現れた新しいメダル候補

男子200メートル平泳ぎで優勝しガッツポーズを見せる佐藤 男子200メートル平泳ぎで優勝しガッツポーズを見せる佐藤【写真は共同】

 東京五輪の1年延期によって、新たなスター候補が台頭している。競泳、男子平泳ぎの佐藤翔馬(東京SC/慶應大)だ。2月7日に閉幕したジャパンオープンでは、100メートルと200メートルで2冠を達成した。  平泳ぎは、五輪で2種目2連覇など数々の偉業を成し遂げた北島康介氏の引退後も、渡辺一平(トヨタ自動車)が200メートルで世界記録(当時)を出すなど活躍しており、世界のトップで戦っている日本の得意種目。その中で20歳の佐藤が一気にトップを狙う勢いを見せている。  最終日の7日に行われた男子200メートル平泳ぎでは、前半をリードした渡辺に佐藤が食らいつく展開で、150メートルのターンまでは、ともに世界記録ペースで泳ぐ一騎打ち。終盤はペースが落ちたが、先に失速した渡辺に先着し、自己ベストの2分6秒74で優勝を飾った。1月の北島康介杯でも2分6秒78の好記録で優勝しており、渡辺が持つ2分6秒67の日本記録に迫っている。 「自己ベストが出たのは非常に良かったけど、また日本新まで0.07秒届かず、まだ足りないなという気持ちでいっぱい。2分6秒台はコンスタントに出ているので、4月の日本選手権、7月(東京五輪)も良いタイムで優勝したい」  試合後のコメントからも充実ぶりがうかがえた。

 佐藤は、2019年に世界ジュニア記録を更新すると、20年1月の北島康介杯で自己ベストを1秒63も縮める2分7秒58で渡辺を破る金星を挙げ、一躍、日本代表候補に名乗りを挙げた。  当初20年4月に予定されていた東京五輪の日本代表選考会が直前で延期になり、五輪も1年の延期となったが、そこから1年で、佐藤は国内の期待のルーキーから、五輪のメダル候補へ成長を遂げようとしている。  2戦連続でマークした2分6秒台は、ライバルの渡辺が「19年の世界選手権では、6秒台なら表彰台が当たり前というレベルだった」と表現するタイム。東京五輪では、さらにハイレベルな戦いが想定されるが、佐藤は大会閉幕翌日の8日が20歳の誕生日。まだまだ伸び盛りで楽しみだ。

課題は腕の使い方とレース終盤

腕の使い方を強化中の佐藤。得意のキックと連動していければ、さらなるタイムの向上も期待される 腕の使い方を強化中の佐藤。得意のキックと連動していければ、さらなるタイムの向上も期待される【写真は共同】

 力強いキックの推進力を生かす、腕の使い方が現在の課題。特にレース終盤、焦りから泳ぎが小さくなる傾向がある。 「ラスト15メートルくらいで焦ってテンポが上がってしまうので、最後でも大きく泳ぎでいきたい」  キックとの連動は、まだ強化の途中だ。東京SCの西条健二コーチは「今は、ストロークにフォーカスしていて、得意のキックのトレーニングは、まだこれから。そこにフォーカスすると、結構良いんじゃないかと思っています」と課題解決後にも、まだ伸びしろがあると見ている。  今大会の200メートルでは、あえて後半勝負を選択。西条コーチは「今回は渡辺君が前半から積極的に来た。これから(ライバルが)いろいろなパターンで来ると思うが、対応力が少し身についたのではないかと思う。相手を見て戦術を変えるのではなく、あくまで五輪に向けた準備。こういうパターンもできるようになった、引き出しが一つ増えたというところ」と、ペース配分に幅を持たせていることを明かした。  前半から飛ばすにしてもどの程度なら後半に粘れるか。後半に賭けるなら、前半をどの程度に抑えるべきか。実戦の中でパターンを変えることで、世界のライバルに巻き込まれることなく、意図的なレース展開をする方法を体得していく。  レースの終盤で、失速を怖がらずにペース配分を考えられるようになれば、得意の前半でもっと勝負ができる。佐藤自身も、すでに世界での争いを見据えている。前述のとおり、レース終盤が課題と話した後には「でも(試合では)ラスト50メートルを上げることを考えている時点で(世界のトップレベルに)負けていると思う。その前に出て、ラスト50の勝負をさせないくらいのレースをしたい」と、前半から仕掛けていく真っ向勝負で頂点に立つイメージを描いた。

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