東京オリンピック・パラリンピック、聖火リレー延期後の日程を更新しました(9/30)。聖火リレーの市区町村ごとの日程やルートについては、正式発表後に更新します。

群雄割拠の男子100mを朝原宣治が解説
桐生の勝因、五輪代表争いの行方は?

6年ぶりに日本選手権・100メートル優勝を果たした桐生 6年ぶりに日本選手権・100メートル優勝を果たした桐生【写真は共同】

 陸上の日本選手権が2日、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで行われ、男子100メートル決勝は桐生祥秀(日本生命)が10秒27で、6年ぶり2回目の優勝を果たした。2位はケンブリッジ飛鳥(ナイキ)で10秒28、3位は小池祐貴(住友電工)で10秒30だった。  新型コロナウイルスの感染拡大によって、6月開催から延期。例年と違った環境の中、桐生は後半に一気に伸び、接戦を制した。東京五輪の代表選考は、参加標準記録(10秒05)を満たし、来年6月の日本選手権の3位以内で内定する。今大会を欠場したサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)や山縣亮太(セイコー)ら有力選手も控え、果たして男子100メートルの代表の行方はどうなるのか。日本短距離のパイオニアで、2008年北京五輪の4×100メートルリレー銀メダリストの朝原宣治さんに、今大会と今後の100メートル代表争いについて解説してもらった。

大舞台で光った桐生の「自信」

――非常に白熱した展開となった今回のレースを、率直にどう見ていましたか?  新型コロナウイルスの影響で、思うように練習や試合ができなかったので、選手たちは急にこの日本選手権に調子を合わせなければいけませんでした。そうした状況はすごく難しかったと思うんですが、ふたを開けてみると力を持った選手たちがちゃんと決勝に残ってきて、上位にも入ってきているので、そこは「さすがだな」と思いました。 ――今年はシーズンイン自体も大幅に遅れるなど、異例づくめの大会となりました。  僕もこんなシーズンを送ったことがありません(笑)。この日本選手権が終わればみんなシーズンオフに入ると思うんですが、かなり凝縮された期間の中で調子を上げてくるというのはすごいですね。 ――その中で桐生選手が混戦を抜け出し、6年ぶりの優勝を果たしましたが、勝因はどういったところでしょうか?  前は勝ち切れない時期があったと思うんですが、そこを抜けて混戦になってもフィニッシュまで持っていけるという強さが出てきましたね。準決勝もスタートでの失敗があったんですが、それを引きずらずに奇麗なスタートを決めていたので、うまく気持ちと体を立て直していました。 ――桐生選手は今季「中盤から後半への走り」を意識したコメントをよく残しています。後半以降の走りについてはいかがでしたか?  ここまで接戦になるとは私も思ってなかったんですが、自信が表れていますね。多田(修平)選手が前半に飛び出すというのは分かっていたと思うんですが、冷静に対応していました。その後はケンブリッジ選手と並んでいましたが、そこも対処できていました。「スタートで失敗すると、レース全体が駄目になる」ということは、今はなくて、後半にしっかりとスピードに乗ってくる走りが国内レベルではできています。 ――桐生選手は今季も10秒0台のタイムを4度マークするなど、安定感が光りましたね。  やっぱりタイムも自信になっていると思いますし、中盤・後半への手ごたえもあるので、日本選手権の大事な場面でもそれが発揮できたんだと思います。

ケンブリッジは「足の切り返しが遅かった」

2着のケンブリッジ、朝原さんは「接地してから足の切り返しが遅かった」と指摘する 2着のケンブリッジ、朝原さんは「接地してから足の切り返しが遅かった」と指摘する【写真:松尾/アフロスポーツ】

――2位のケンブリッジ選手も、最後までトップと競り合う展開になりました。  今年は本当にスタートが良くなって、立ち上がりからスムーズに中盤へ行けるようになっています。去年と比べると、かなり良い状態ですね。ただ、準決勝と決勝はもっと行けたと思います。というのは、自己ベストの10秒03を出した走りはもう少し重心が高くて、足の返りがもっと速かったんです。僕は「滑っている」と表現しているんですが、少し(足の返しが)遅れているように見えました。接地してから足の切り返しが遅くて、もう少し前に出てくるはずの足が出てこなかったんです。加速の時に切り返しがハマっていれば、もっと後半は楽に速く走れたんじゃないかと思います。  桐生選手に勝つチャンスも十分あったんですが、日本選手権前に(左足に)違和感が出たこともあって調整に影響が出た点もあるかもしれませんね。 ――昨年までは怪我が続いたこともあり、なかなか力を出せないシーズンが続いていましたが、これまでと今季を比較した走りの違いについてはいかがでしょうか?  だいぶ走りがコンパクトになりましたね。というのは、大きな動きで走るのではなく、動き自体はコンパクトなのに、ストライドが伸びるという意味です。自己ベストを出した時は、足の上下幅は小さいのに、地面に大きな力を加えられていたので、ストライドは落ちない走りができていました。無駄なエネルギーを使う時は必要がないのに大きな動きをするんですよ。一番見やすいところで言うと、太ももの動きですね。足が地面を蹴ってから、戻ってくるまでに大きな動きをしてしまうと、極端に言えば、かかとを跳ね上げるような動きになってしまいます。そうするとすごくロスがある。そうしたロスがかなり減っていて、ピンポイントに力を発揮できるようになっている印象です。パワーというよりも、タイミングの変化が大きいですね。 ――今回は2着となりましたが、今後さらに伸びていく期待を持てるシーズンになりましたね。  状態の悪かったここ数年と今年のケンブリッジ選手を比べて、まったく違っています。来年も期待できると思います。

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