東京オリンピック・パラリンピック、聖火リレー延期後の日程を更新しました(9/30)。聖火リレーの市区町村ごとの日程やルートについては、正式発表後に更新します。

武井壮「こんなに遅くなっちゃうんだ」
視覚障害者陸上の難しさに驚嘆

今回は視覚障害者陸上に挑戦した武井壮さん(左端) 今回は視覚障害者陸上に挑戦した武井壮さん(左端)【写真:荒木美晴】

 パラ陸上の視覚障がいクラスは、障がいの程度に合わせて、T/F11〜T/F14(Tはトラック種目、Fはフィールド種目)の4つのクラスに分けられる。T/F11は全盲、T/F12は弱視というように、数字が大きくなるにつれて障がいが軽い。レース中、選手が安全に走るために、代わりの「目」となってサポートするのが、「ガイドランナー(伴走者)」だ。  スポーツナビは、陸上・十種競技の元全日本王者でタレントの武井壮さんが視覚障害者陸上に挑戦するNHKの取材に同行。全盲スプリンターとして東京2020パラリンピック出場を目指す鈴木秀俊と、ガイドランナーの青木邦成さんとともに体験した武井さんに、競技の魅力・奥深さを聞いた。

普段の5割しか力を出せない

スプリンター、伴走者の両方を体験した武井さん(写真右) スプリンター、伴走者の両方を体験した武井さん(写真右)【写真:荒木美晴】

 今回は視覚障害者陸上にチャレンジしました。これまでに他のブラインドの競技をいくつか経験しましたが、自分の体の持っている最大の力を出して最高速で体を動かす競技は他にはないので、非常に難易度が高い、大変な作業でした。スプリンターとして走るのと、伴走者(ガイドランナー)との両方をやってみて、どちらも別の高い技術が必要だと感じました。  伴走者はスタートして相手の歩幅や腕の振りに合わせて走ります。僕の方が走力があるので、合わせるのはそんなに難しいことではない。ですが、逆側(走る側)の自分が目隠しをして走るとなると、普段持っている力の5割ぐらいしか出せない感じですね。地面に力を加える勇気というか、しっかりと体を地面から反発力をもらって空中に投げ出す作業が、恐怖感があって躊躇(ちゅうちょ)してしまいました。  目隠しをして意識したのは、いつもと変わらないことで、正しい技術で走ること。それでも、結局それができない。速く走るために僕らが持っている技術を出そうとすると、見えないことでの恐怖感が襲ってきて、その力をセーブしてしまう。そうなると普段の歩幅とも違うし、腕振りも変わってくる。接地の場所も違います。当然スピードも落ちるし、自分で思っている以上にスピードが出てないと思うので、映像を見てびっくりすると思います。「こんなに遅くなっちゃうんだ」って。本当に何もできないと言っても過言ではないぐらいです。

3つの難関を乗り越え、レースを行う尊さ

 鈴木選手は人生の途中、30歳ごろから盲目になって、そこから昔やっていた競技を取り戻すために走り始めたそうですが、全速力で走れるようになるところまで来ているのは尊敬に値するし、見えない中でフォームのチェックができないにもかかわらず、自分の走りをどんどんアップグレードしていく作業がどれほど難しいか、僕自身すごく理解することができました。  この競技には目が見えないこと、伴走のなり手が少ないこと、伴走と息を合わせていく作業の3つの難関があります。それを乗り越えてパラリンピックの舞台で輝く走りをするところまでたどり着くのは、並大抵の努力ではできないと思うし、出会いなどの運も必要。伴走者には細かな作業が必要で、選手たちとシンクロさせてる技術があり、体形も似ている伴走者と出会えるとは限らないので、そういった違いがある中でも、高い技術を駆使してレースを行っていると言うということを、皆さんに注目して見ていただきたいなと思います。

目が見えない状態だと平衡感覚をつかむのも難しい。その中で最大のパフォーマンスを出す選手はすばらしいと、武井さんは話す 目が見えない状態だと平衡感覚をつかむのも難しい。その中で最大のパフォーマンスを出す選手はすばらしいと、武井さんは話す【写真:荒木美晴】

 視覚障がいの人と日常生活で一緒に時間を過ごすことはあまりないと思います。ですが、もしお時間があれば、そういった方がどんなふうに競技生活を送っていて、送り迎えや練習中のサポートをしているか、どういう助力があれば、彼らが視力をハンデとせずに日常生活、競技生活を送れるのか、身近で感じていただきたいです。  もしくは、家の中で5歩でも10歩でも目をつぶって歩いてみると、どれだけ一歩を踏み出すのが怖いのかが分かると思います。その中で隣のレーンにも選手がいる、リードしたりリードされたりという陸上のレースを全速力で行うことの難しさ、それを仕上げたランナーたちのすばらしさを実感していただけたら、東京パラリンピック、その先のバリアフリーにより近づくのではないかと思います。

■武井壮プロフィール 陸上・十種競技の元日本チャンピオン。スポーツ番組やバラエティなど、テレビやラジオを中心に活躍しつつ、世界マスターズ陸上の4×100mリレー(M40クラス、M45クラス)の金メダリストであり、日本記録保持者。今でもさまざまなスポーツにチャレンジし続けている。現在はプロテストを目指してビリヤードにも挑戦中。2020年からは本田圭佑さんのサッカーチームONE TOKYOの監督に就任。

◆◆◆ NHK番組情報 ◆◆◆ ■9月18日(金)11:05〜11:54 『ひるまえほっと』 「百獣の王」武井壮さんがパラスポーツを体験、トップアスリートとの真剣勝負に挑みました。今回は過去の名勝負と、選手の「今」に迫ったリモートインタビューをお届けします!

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