東京オリンピック・パラリンピックについて1年程度延期、聖火リレー延期も発表されました。詳細な日程、選考基準などは公式情報が発表され次第更新します。

技―WAZA―

「猫レスラー」の専売特許は豪快反り投げ
グレコ文田が父と磨いた天性の柔軟性

動画提供:朝日新聞デジタル  自分の体の前方に投げる技が主流なだけに、後ろに投げる反り投げは「あまり人気のない、難しい技」。珍しい分、きっちりかければ面白いように決まった。その魅力にとりつかれて投げまくるうちに、反り投げは23歳の代名詞になった。  正対する相手の背中に回した両腕をがっちりと固定(クラッチ)、相手の動きを封じた上で抱え上げ、ブリッジの体勢から後方へ豪快に投げ落とす。  レスリング男子グレコローマンスタイル60キロ級の文田(ふみた)健一郎(ミキハウス)は「僕のグレコは反り投げとともにずっとある。一番魅力的な技だと思う」と話す。  成功のポイントは二つ。四つ身になって相手の後ろで組んだクラッチの固さ。そして、相手を上方へ持ち上げるときに、自分の下っ腹で突き飛ばす勢いだ。自由を失った相手は空中で1回転し、背中からマットにたたきつけられる。

猫好きとして知られるレスリンググレコローマンスタイルの文田健一郎 猫好きとして知られるレスリンググレコローマンスタイルの文田健一郎【提供:朝日新聞デジタル】

 反り投げが文田の「専売特許」とされるゆえんは、投げる際にブリッジで反り返る角度が誰よりも深いことだ。一般的な選手は背中を十分に反らすことが出来ず、真っ逆さまではなく前方に飛んだ格好の相手は、顔や肩からマットに着く。角度のある美しいアーチ状の投げを可能にしているのが、「猫レスラー」の異名を持つ文田の背中から腰にかけた筋肉と関節の柔らかさだ。 「僕のレスリングはすべて父に作り上げてもらった」と文田。父・敏郎さん(58)が監督を務める山梨・韮崎工高レスリング部のマットが、天性の柔軟性を磨いた。幼少の頃から飛んだり跳ねたりしていた。 「転んでも痛くない場所があり、強制もされず遊べたのが一番大きい」  タックルの応酬となるフリースタイルと異なり、腰から下への攻撃が禁じられたグレコにとって、投げ技は「華」だ。敏郎さんは「昔は筋肉マン同士の押しくらまんじゅうでつまらなかった。投げの大技が出れば、選手も見ている人も面白い」。2004年アテネ五輪のときの投げ技の総集編ビデオをみせたところ、「『グレコ面白いぞ』って洗脳された」と文田。中1から本格的に取り組んだ。  1時間ぶっ続けで同じ投げを繰り返すなど猛練習した。「実戦で使う筋肉は、実戦でつくるのが一番。何回も何回も、ひたすら投げて身につけた」

レスリンググレコローマンスタイルの文田健一郎 レスリンググレコローマンスタイルの文田健一郎【提供:朝日新聞デジタル】

 クラッチしてしまえば、「60キロ級なら全員投げきる自信はある」。一本背負いや首投げ、巻き投げなどは、組み合う瞬間に投げないと決まらないというが、「反り投げは相手をつかまえてしまえば自分のタイミングでいける」と話す。  9月の世界選手権(カザフスタン)で2年ぶり2度目の頂点に立ち、東京五輪代表に内定した。文田の反り投げは世界のライバルたちに知れ渡っている。警戒され、胸を合わさずに極端な前傾姿勢で構え、間を取る相手が増えた。それでも文田は、反り投げで金メダルをめざす。 「研究された今でも反り投げは自分の一番大きな武器。五輪では初戦からずっと投げでポイントを重ね続けたい。それだけの完成度に持っていきたい」(金子智彦、写真=林敏行) ※本記事は朝日新聞デジタル『WAZA』からの転載です。掲載内容は朝日新聞デジタルで掲載した当時(2019年11月23日)のものです。

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