東京オリンピック・パラリンピックについて1年程度延期、聖火リレー延期も発表されました。詳細な日程、選考基準などは公式情報が発表され次第更新します。

技―WAZA―

カヌーの加速はまるでペットボトル!?
リオ銅・羽根田卓也の大技を動画で

動画提供:朝日新聞デジタル  空のペットボトルを水に沈めて手を離すと、ポンととび上がる。 「この原理を、ターンをした後の加速につなげるんです」  そう話すのは、カヌー・スラロームの羽根田卓也(ミキハウス)。2016年リオデジャネイロ五輪で3位となり、この種目でアジア勢初のメダルを獲得した31歳だ。  羽根田が得意とするのが、「アップゲート」。下流から上流へ、水の流れに逆らってゲートをくぐるポイントだ。  スタートからゴールまでのタイムを競うスラロームでは、ゲートポールに接触すると、2秒のペナルティーとなる。いかにポールに当たらず、かつ最短距離で回れるか。  走りながら、ポールを右回りに回ることを想像してほしい。つい、ポールに近い右足に体重をかけながら回りそうになる。これを、ポールを回りながら一度、左足に体重をかけて踏ん張り、方向転換して再びダッシュする。このイメージでくるりと回るのが羽根田の技だ。

東京五輪に向けて練習するカヌーの羽根田卓也選手 東京五輪に向けて練習するカヌーの羽根田卓也選手【提供:朝日新聞デジタル】

 まず、ポールに体が当たりそうなぐらいに近づきながら、カヌーをポール側に傾けてターンに入る。選手たちが「内傾」と呼ぶ動きだ。半回転し、ポールの下流側に入ったところで、今度はカヌーを外側に傾ける。「外傾」だ。そして、カヌーの後尾を水中に入れる。この動きを羽根田は「カヌーに水を食わす」と表現する。 「これによって、カヌーが止まり、横滑りせずにくるっと回れる」  後尾が水の中に入ることで生まれるのが、「ペットボトルの動き」となる。 「カヌーが浮力で水からはね返される。その力を借りて、次のゲートに向かって再加速する。この再加速が一番大事なんです」  こうやって、コースの中で「特に差がつきやすいシビアなポイント」というアップゲートを攻略する。どのゲートでも外傾するわけではない。時には、内傾のまま回ることもある。羽根田が優れているのは、その見極めだ。 「外傾を使うのは波が逆流しているところ。波を読み違えるとバランスを崩す」。どちらにするか、瞬時に判断する。 「それくらいしないと速度につながらない。水の流れに対するセンスと、練習で培った経験が勝敗を左右する」

練習で、次々とゲートを回っていく羽根田卓也選手 練習で、次々とゲートを回っていく羽根田卓也選手【提供:朝日新聞デジタル】

 体格で勝りパワーでこぐ外国勢に、水上での「感覚」で勝負している。東京五輪で使われる江戸川区のコースでは、毎秒12トンの水がポンプから送りこまれ、激流が作り出される。渦や急激な落ち込みができるところもあれば、高い水しぶきがあがるところもある。水がいろいろな“顔”を見せるほど、羽根田にとっては有利になる。さて、このテクニックをどう命名するか。羽根田本人に聞いた。 「外傾は、スノーボードをやったことがある人なら『逆エッジ』と言えば分かりやすいかも。あとは、ターンという言葉がついたほうが分かりやすいですよね」  決まった。ハネタクの「逆エッジターン」。ぜひ、注目あれ。 (山口史朗、写真は諫山卓弥) ※本記事は朝日新聞デジタル『WAZA』からの転載です。掲載内容は朝日新聞デジタルで掲載した当時(2019年4月23日)のものです。

カヌー・スラロームのルール説明

 コースの全長は200〜400メートル。激流の中に設置された計18〜25個のゲートを通過しながら下り、そのタイムを競う。2本のポールでできたゲートは2種類。上流から下流に通過する「ダウンゲート」と下流から上流に通過する「アップゲート」がある。  ゲートを通過しなかったら50秒、ゲートに接触したりすると2秒のペナルティーが科される。合計タイムにペナルティーを足した数字を得点化し、順位を決める。90秒かかり、ペナルティーがなければ90点、ゲートに1度接触すると92点となる。

羽根田卓也(はねだ・たくや)

練習を終えた羽根田卓也選手 練習を終えた羽根田卓也選手【提供:朝日新聞デジタル】

1987年生まれ。愛知県豊田市出身。父、兄の影響で9歳からカヌーを始める。高校を卒業後、カヌー強豪国のスロバキアへ渡る。五輪は2008年北京大会から3大会連続で出場。16年リオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得。

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