東京オリンピック・パラリンピックについて1年程度延期、聖火リレー延期も発表されました。詳細な日程、選考基準などは公式情報が発表され次第更新します。

連載:アスリートに聞いた“オリパラ観戦力”の高め方

岩渕幸洋が惑わせる台上での駆け引き
「金メダル以上」を狙うパラ卓球の俊英

パラ卓球界のホープである岩渕幸洋に、競技の魅力や東京パラリンピック後の展望について語ってもらった パラ卓球界のホープである岩渕幸洋に、競技の魅力や東京パラリンピック後の展望について語ってもらった【写真:C-NAPS編集部】

 MLBのエンゼルスで活躍する大谷翔平、プレミアリーグの名門・リヴァプールに移籍を果たした南野拓実、冬季五輪で2大会連続の金メダルを獲得したフィギュアスケートの羽生結弦(ANA)。世界で活躍する彼らの共通点は、「1994年度生まれの同級生」であること。また、東京五輪においても、競泳の瀬戸大也(ANA)、バドミントンの桃田賢斗(NTT東日本)と金メダル候補がひしめく。94年生まれのアスリートたちは、まさに「最強世代」と言えるだろう。そんな最強世代の一人がパラ卓球界にも存在する。もちろん、岩渕幸洋(協和キリン)のことだ。  生まれつき両足首に障がいがあり、左足には装具を付けてプレーする岩渕。「自分が障がい者だという認識がなかった」と語る彼は中学1年の時に健常者に混じって卓球を始め、中学3年でパラ卓球の世界に出会った。その後、めきめきと頭角を現し、2016年のリオデジャネイロ大会でパラリンピック初出場を果たした。そして、アスリートとして成熟した25歳という年齢で、2度目のパラリンピック出場を控えている。  プレー以外にも講演やYouTube配信に精力的な岩渕は、人一倍、競技普及への思いが強い選手でもある。東京生まれの彼が、地元開催となる夢の祭典でのプレーを通して伝えたいことは何なのだろうか。観戦のポイントや競技の楽しみ方、「金メダル以上」と語る目標の真意を聞いた。

“手品”で相手を惑わせる 頭脳プレーもパラ卓球の魅力

岩渕が特に不自由な左足に装具を付けているように、パラ卓球は各選手の障がいの特徴を見極めたうえでの戦術が肝となる 岩渕が特に不自由な左足に装具を付けているように、パラ卓球は各選手の障がいの特徴を見極めたうえでの戦術が肝となる【写真は共同】

 パラ卓球は、ルールに関しては健常の卓球とほとんど変わりません。卓球台の大きさやネットの高さ、点数やセットカウントも同じなんです。ただ、車いすの選手に限り、サーブの際にサイドラインを横切ってはいけないというルールがあります。ラリーが始まればサイドラインを狙っても構わないので、サーブのコントロールが重要になります。また、車いす選手のダブルスでは必ずしも2人のペアが交互に打たなくても大丈夫です。  パラ卓球はそれぞれの選手が異なる障がいを抱えているので、見た目やプレースタイルが各選手でまったく違う点が大きな特徴だと言えますね。腕に障がいがある選手、足が不自由な選手、車いすや義足の選手など個性が豊かで、多種多様なスタイルが楽しめる競技です。障がいの程度によって11のクラスに分類されます。クラス1から5までが車いすを使用する選手、クラス6から10までが立位の選手、クラス11が知的障がいの選手になります。僕はクラス9に属していて、数字が小さいほど障がいの程度が重くなる仕組みです。  障がいの部位によってクラス分けがなされているわけではなく、同じクラスの中でも足に障がいがあったり、手に障がいがあったりと特徴はさまざま。そのため、相手選手の障がいの箇所やプレースタイルによって戦い方が大きく変わってきます。たとえば、足が不自由な選手は卓球台に近づいて動く範囲を狭くしたり、反対に足が自由に使える選手は卓球台から下がってスペースを広く使ったりします。選手の個性を生かした戦い方の工夫は、観戦する際に注目していただきたいポイントですね。

取材班の前でトリッキーなサーブを披露する岩渕。フェイントの仕方から「手品」とも評される 取材班の前でトリッキーなサーブを披露する岩渕。フェイントの仕方から「手品」とも評される【写真:C-NAPS編集部】

 僕は右利きですが、左足が不自由で踏み込みづらいので、バックハンドの深いところを狙われる傾向にあります。その弱点を補うために、ラケットに特殊な工夫を施しているんですよ。一般的に男子選手はツルツルとした裏ソフトラバーをラケットの両面に貼る場合が多いのですが、僕の場合はバックハンドの面に凹凸のある「表ソフトラバー」を貼っています。福原愛さんがかつてそうでしたし、伊藤美誠選手(スターツ)もこのタイプを使っていますね。  表ソフトラバーは回転を抑えられるので、回転の多いボールをレシーブする際に比べてラケットの角度を調整する必要があります。いつもの練習では飛んで来ないようなボールをあえて繰り出すことで相手の角度を狂わせてミスを誘ったり、リターンが甘くなったところをつけこんで攻撃したりする戦術を採用しています。自分の障がいや弱点を理解しているからこそ、それを補う用具にも人一倍こだわりを持っています。  また、障がいを踏まえたうえでの戦術や頭脳プレーもパラ卓球の醍醐味(だいごみ)です。僕はサーブの際にフェイントを巧みに使いますが、よく「手品みたい」と言われます。相手にボールの向きや軌道を読まれないように、打った瞬間に手の向きを変えているんです。こうしたトリックプレーを身につけることができたのも、自分の障がいや弱点と向き合いながら、「どうしたら勝てるか」を常に研究している成果のたまものだと考えています。

関連リンク

競技紹介

${list[returnRandomCount].credit}

${list[returnRandomCount].eventName}

${returnCompetition(list[returnRandomCount].eventId)}

${list[returnRandomCount].text}

競技一覧

おすすめ情報