東京オリンピック・パラリンピックについて1年程度延期、聖火リレー延期も発表されました。詳細な日程、選考基準などは公式情報が発表され次第更新します。

連載:アスリートに聞いた“オリパラ観戦力”の高め方

志水祐介が極める「水中の格闘技」の本質
水球がトータルスポーツと呼ばれるゆえん

リオデジャネイロ五輪でポセイドンジャパンの主将を務め、東京五輪で2大会連続出場を目指す志水に水球の競技性や観戦ポイントを聞いた リオデジャネイロ五輪でポセイドンジャパンの主将を務め、東京五輪で2大会連続出場を目指す志水に水球の競技性や観戦ポイントを聞いた【写真:C-NAPS編集部】

「水中の格闘技」と称され、東欧を中心に絶大な人気を誇る水球。欧州ではプロリーグも存在し、セルビアやハンガリーでは国技として人々を熱狂の渦に包んでいる。そんな世界で盛んな競技が日本でもっとも注目を浴びたのが、2016年のリオデジャネイロ五輪。水球日本代表“ポセイドンジャパン”の五輪出場は実に32年ぶりの快挙であり、当時チームを主将として引っ張ったのが志水祐介(ブルボンKZ)だった。  あれから4年が経過し、すでにベテランの域に入った志水だが、その存在感は未だ健在。ハンガリーのプロリーグで3年間プレーした経験を武器に、自国開催で初の予選通過を目指すチームの中心として君臨し続けている。今回は長年にわたり日本水球界をけん引し続けてきた志水に、水球の魅力や観戦の楽しみ方、海外チームとの競技力や文化の差などを聞いた。東京五輪を「集大成」と語るその表情には、穏やかながら並々ならぬ決意がにじみ出ていた。

水球は多くの競技の要素を凝縮した「トータルスポーツ」

泳ぐ、投げる、競り合うなど多くの競技の特徴を融合した「トータルスポーツ」であることが水球の特徴だ 泳ぐ、投げる、競り合うなど多くの競技の特徴を融合した「トータルスポーツ」であることが水球の特徴だ【写真:アフロスポーツ】

 水球は水深2メートル以上のプールで足をつけることなく泳ぎ、パスを回し、ボールを奪い合いながらゴールを目指す競技です。コートの大きさは縦30メートル×横20メートルで、試合は8分×4ピリオド制で行われます。プレーするのはキーパー1人とフィールド6人の計7人で、フィールドプレーヤーはボールのキャッチもスローも片手で行わなければならないのが水球独自のルールですね。キーパー以外が両手でボールをつかんだらファウルになります。サッカーのハンドのようなイメージを持ってもらえば分かりやすいと思います。  水球は欧州で“キング・オブ・スポーツ”とも呼ばれています。各スポーツの面白いところがギュッと一つにまとまっているのが醍醐味(だいごみ)ですね。実際に僕は、他競技の選手の動きを自分のプレーに積極的に取り入れています。例えば、「泳力」は、競泳選手の泳ぎからヒントを得ていますし、「投力」に関しては、野球選手を参考にしています。特にピッチャーの投げ方を参考にしていて、現役時代に理論派として知られた桑田真澄さんの動画を見て投球動作からヒントを得ていました。  選手同士のつかみ合いが激しいことから、水球は「水中の格闘技」とも呼ばれています。実際に体と体がぶつかり合う音が聞こえるほど迫力があるんですよ。海外では身長2メートル、体重100キロという選手も珍しくないので、181センチの僕が力で勝負しようとしてもなかなか勝てません。そこでレスリングや合気道を手本に、力をいなして相手のバランスを崩す術を学んでいます。水球が多くの競技の要素を取り入れた「トータルスポーツ」と評されるのには、こうした背景があるんです。  恐らく多くの方にとって、水球は「見たことがない」スポーツだと思います。テレビ中継もないですし、体育の授業にもありませんよね。だからこそ、迫力あるプレーに大きなインパクトを受けるはずですし、初めて見た時に驚くことや気になるポイントがたくさんあると思うんです。先入観がないからこそ、観戦時には素直に見たままの面白さを感じてもらいたいですね。

「水中の格闘技」だけに、ファウルが他の競技に比べて多いのも水球ならではと言える 「水中の格闘技」だけに、ファウルが他の競技に比べて多いのも水球ならではと言える【写真は共同】

 水球を観戦するうえで、ファウルの概念に関しても押さえておくといいかもしれません。例えば、「ボールを持っている選手には激しくアタックしていい」というルールがあり、ファウルを取られてもただ1プレー止まるだけです。その点は他のスポーツとまったく違いますよね。ボールを持っている人が1〜2秒フリーで動ける時間を与えるだけなので、深刻な反則ではありません。そのため、ファウル数が他の競技に比べて圧倒的に多く、「ピッ!」「ピッ!」「ピッ!」とテンポ良く笛が鳴るのが当たり前なんです。  ただ、決定的なシュートチャンスを妨げる行為や攻撃に向かっている選手を力で抑え込むと「退水」というルールが適用されます。「退水」を告げられた選手は、ゴール横の左右のスペースである「退水ゾーン」に入れられます。体の大きな選手が一人ポツンとただ浮いているだけなので、傍から見ればちょっとシュールですよね(笑)。  でも選手の立場からすると「反則してでも1点を守った」という感覚です。ハンガリーのプロリーグでプレーしていた時に「点を決められるくらいなら退水をしろ!」と言われていました。退水ゾーンに入ったから「重大な反則を犯した」ということではないんです。選手はたいていの場合、「仕方ない」もしくは「最低限の仕事はした」と思っていますね。

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