武井壮「驚いた」ゴールボールの進化
脅威に感じた男子日本代表のショット

2回目となるゴールボールに挑戦した武井さん。前回よりも対戦する日本代表チームのレベルが格段に上がっていることに驚いたという 2回目となるゴールボールに挑戦した武井さん。前回よりも対戦する日本代表チームのレベルが格段に上がっていることに驚いたという【写真:吉田直人】

 パラスポーツ独自の競技「ゴールボール」は、「アイシェード」という目隠しを付けた選手が3対3で対戦し、ボールを相手ゴールに入れて得点を競う競技。視界が完全に遮断されるため、ボールの音や足音、味方の声を頼りにさまざまな状況を把握しなければならない“究極のコミュニケーションスポーツ”だ。  スポーツナビは、十種競技の元日本王者でタレントの武井壮さんが、約2年ぶりにゴールボールに挑戦するNHKの取材現場に同行。武井さんが感じた進化、そして改めて見えてきた奥深さなどを語ってもらった。

ディフェンスの強化練習では、音に合わせて飛んだり、実際にフェイントもある中でボールを止め、すぐにポジションに戻ることなどを行った ディフェンスの強化練習では、音に合わせて飛んだり、実際にフェイントもある中でボールを止め、すぐにポジションに戻ることなどを行った【写真:吉田直人】

格段にレベルが上がっていた技術

 2回目のゴールボール挑戦でしたが、今回はこの競技のより専門的な技術を習得することができました。例えば、正規のポジションから飛びついてボールを止めるというディフェンスをして、ボールを投げてゴールまで戻って、また正規のポジションにつくという動きを強化したり。あと、いろいろなバリエーションのシュートを練習して、ディフェンスの強化練習をしてから、男子日本代表チームと対戦をさせてもらったので、新たな発見と楽しみが多くありましたね。  最初はやはりボールが見えないので、恐怖感があったりするのですが、徐々に慣れてきて、ブロックできるようになりました。でも、男子の放つボールの威力とスピードが半端じゃなく、聞こえてくる「ゴー!」という音にひるみましたね、やっぱり。男子のバウンドボールはより高くバウンドしてくるので、完璧に投げられたときは身体に少しも触れることなく、自分を飛び越えて(ゴールに)入っていったりするので、すごく脅威でした。  そして一番感じたことは、前回体験したときよりも、代表選手達たちのゴールボールの技術自体のレベルが上がっているということ。選手のポテンシャルも、ゲームの組み立て方も上がっている。アイシェードを外して、外からプレーを見る機会がありましたが、複雑なフォーメーションのフェイントを結構使っていて、ボールから何とか相手の気をそらせるための策が講じられているのがすごくよく分かりました。2年前くらいにお邪魔したときよりも、格段にレベルが上がったテクニックが駆使されていることに、一番驚きました。

バウンドボールを有効に使い、日本代表チームから3得点した武井さん バウンドボールを有効に使い、日本代表チームから3得点した武井さん【写真:吉田直人】

試合に生きたブラインドスポーツの経験

 前回はハイボール(※編集注:投げたボールの最初にバウンドする位置が味方エリアでなければいけないが、最初のバウンドが味方エリアを越えた場合のファウル)に苦しみましたが、今回、ハイボールを1回も取られずプレーできました。コートの幅の感覚と、自分が何歩で行けばギリギリで投げられるのか、バウンドボールを出すにはもう少し後ろの方でリリースするとか、そういう感覚が練習でつかめていたので、コーナーも狙うことができたし、バウンドボールを投げることもできた。(狙い目とされるゴールエリアのポジションナンバー)6と3という相手がいないところに打つこともできたので、良かったかなと思います。なんと日本代表から3点取りましたから!  ディフェンスでのボールの見え方は、前回よりもぼんやりでした。やっぱり男子の投げるボールのスピードが速いのと、相手チームがラインにより近い、ギリギリのところからショットを打ってくるようになっていたので、本当にボールの音が鳴り出してから自分に届くまですごく短いんですよ(※編集注:ゴールボールのボールは鈴が入っている)。  コースを判別している余裕はなくて、自分側に来たと思ったらとにかく体を伸ばして、なるべく防げる範囲を広めようということしかできなかった。それでも止めた後にこぼれたボールをスムーズに拾いに行けるようになったり、ブラインドサッカーや視覚障害者柔道、ゴールボールで視界をふさいでプレーした経験が増えているので、他人や動いてるボールの気配が以前よりも敏感に感じられるようになっていましたね。ルーズボールになったボールは以前より格段に拾えるようになったと思いますね。

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